2023年04月07日

理不尽が人を育てる

 理不尽、私が最も嫌いなことかもしれませんが、これまでの人生を振り返ってみると、理不尽なことは多々ありました。

 例えば今でこそ、中学・高校・大学の部活は先輩後輩も仲良しで、和気あいあいな風潮ですが、私の時代は学年違えば、王様と奴隷も同然。上級生の言うことは絶対で、試合でも命令通りに動かなければ「お前、生意気や!」と、試合後部室に呼ばれ、よくどつかれたもんです。ほんま理不尽の極みでした。なので、私は試合に出るのが嫌だったので、たまに仮病を使ったりしていました。練習も根性練習など当たり前。ひたすらダッシュさせられたり、水も飲ませてもらえなかったりと、今だったら問題になるような練習ばかりしていました。

 最近はなんでもかんでも科学的になったというか、「何のためにするのか」という説明を求めるようになってきているように感じています。もちろんそれは大事なことで当然のことですが、時にはそういうことを無視して、理屈抜きに猛烈な練習をすることも必要なことだと思います。

 良い大学、一流企業など、自分が望んだ通りの道に進めたとしても、そこに人間が介在する限り、多かれ少なかれ絶対に矛盾が生じ、理不尽と感じることは必ず遭遇します。そんなときに「やってられるか」と、すぐに違う道へ進むのも正解と思いますが、たいがいの場合、また「やってられるか」となるのでは、と思います。とすれば、まずは理不尽な状況に耐え、それを打破すること。
 私は理不尽なことは大嫌いですが、自分の限界を超えるような苦しさや辛さを乗り越える体験をすることで、「あれだけきついことを乗り越えたのだからこんなものは大したことではない」とか「努力は必ず報われる」とかの信念というか哲学が自分にとって血肉化し、結果的に人は成長していくのだと最近感じています。

東名鍛工(株) 代表取締役社長 宮嶋俊介

とにかく練習がきつかった大学体育会時代ですが、その過酷な環境を乗り越えた経験が、今の私の礎になっているのは間違いありません。ちなみに#11が私です(*ノωノ)